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「Et cetera」
-2018年1月~6月

いい男

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「大佐ってパーフェクト超人っすよね-。」
 火の付いていないタバコを咥えて上下に揺すりながら、ハボックは言った。
「イケメンだし、頭いいし、強えーし、国家錬金術師だし、出世してるし、高給とりだし。」
「羨ましいか。」
 そう言ってロイはニヤリと笑った。
「女受けもいいしな。」
 ブレダが付け足すと、何か思うところがあったのかハボックが呻いた。
「くっそー。世の中不公平だ。なんであんたばっかり。」
「こういうのは持って生まれたものだ。諦めろ。」
「わー!ムカつく!本命に振られちまえ!」
 ハボックはがしがしと頭をかきむしると、書類の整理に勤しんでいたリザの方を向いた。
「中尉!やっぱ女から見て大佐は最高物件ですか?彼氏にしたい男ナンバー・ワン?」
「私?私なら外見どうこうより誠実な人が好きね。」
 リザは無表情のままそう言うと、席を立った。
「総務行ってきます。」
 淡々とした態度で大部屋を出て行くリザを、男たちはぽかんと見送った。
「・・・誠実な男だって。」
 ニヤニヤしながら、ハボックはロイを見た。
「大佐から最も縁遠い言葉がでましたね。」
 ブレダは生真面目な顔で頷いた。
 ロイは憮然とした表情で肩をすくめた。

「私はいい男じゃないのか?」
 夕飯を終えて紅茶とクッキーをつまみながら、ロイは拗ねたように言った。
「何の話ですか?」
「昼間、ハボックが君に振ったじゃないか。」
「ああ。」
 リザは呆れたように息をついた。
「どうでもいいことばっかりでしたね。顔とか頭とか給料とか。」
 そう言ってリザは肩をすくめた。
「だいたいあなた、そんなにイケメンでもないですよね。」
「・・・そうなのか?」
 ロイは愕然とした。
「書類によだれ垂らしてうたた寝してるし。」
「・・・ちゃんと錬金術で染み抜きしてる。」
「サボりすぎて書類ため込んで、期限ぎりぎりに半泣きで仕事してるし。」
「・・・泣いてない。」
「エドワード君と本気でケンカしてるところとか大人げないし。」
「あのマメが突っかかってくるのが悪い。」
「会議で責められても詰られても顔色1つ変えないで、本当は疲れてるくせに強がって、そういうとこでは絶対弱音吐かないくせに、私にだけ甘えてわがまま言って。」
「ああ、うん。そうかな。」
「そういうあなたの素の部分が大好きです。」
 その一言にロイは目を瞠った。
 不意打ちの告白に顔が火照り、慌ててロイは彼女を抱きしめて顔を隠した。

「あの・・・大佐?」
「プライベートは大佐禁止。」
「ロイさん、苦しいんですけど。」
「我慢したまえ。まったく、普段素っ気ないくせに。そういう所が大好きだ。」
「?どういうところですか?」
「その無自覚の愛情表現だよ。」





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